第7回大学探索レポート



【2015年7月11日】


●参加者:ちくわ、溺死、PICO、山下、ねこかぶり(京都大学オカルトサークル『ヌエ』より)

この日はゲストとして京都大学オカルトサークル『ヌエ』のメンバーが来ていたため、
ミイゾンが普段どのような場所を探索しているのか、構内を歩き紹介していた。
その途中、芝生広場で一匹の蝶が我々の頭上を通り過ぎていった。
一瞬、全員の視線がその蝶に集まる。
その体はコウモリに見紛うほど大きく、羽根を含めた全てが黒に染まっていたからだ。
黒の蝶は徐々に高度を上げ体育館を越えられるほどの高さに達すると、
山の方へと飛んでいき、やがて見えなくなった。
この後、再びその黒い姿態に相見えることになるとは、誰が知る由もなかった。

そうしてテニスコート付近まできたところで、ふと、溺死が疑問を口にした。
「ここを上に登るとどうなっているんだろう」と。


全員不意を突かれた。
何故なら行き止まりとばかり思われていたその先には、
明らかに人が通ることを目的とした空間が確保されていたからだ。
そうはいっても、山道は山道であるため険しい道を奥へと進んでいく。


右に見えるのが道。
鉄線が張られているため、一応大学の管理下にあるのだろう。


突然鬱蒼として視界を妨げていた木々が消え、広場のような空間に出る。
噂はおろか、地図にさえ載っていない場所。
そこに到達した興奮を抑えながら、先へ先へと足を進めていく。



溜め池と肥溜めのようだ。この場所は何に使われていたのだろうか。



ちょうど広場の真ん中に位置する物置。
自然の中で唯一人工物らしいものであるため、かなり浮いている。
扉は開かなかった。


そこを少し先に進んだところの道の外れには大きな水溜まりのようなものがあった。


ここでふと辺りを見回してみると、黒色の虫が何匹も飛んでいることに気付く。
近付いて見てみると、それはトンボであった。
構内では一度も見たことのない黒色のトンボが、 この場所へ来た途端にまるで何かを暗示するようにそこら中を飛び回っている。
そんな光景を見た誰かが「黄泉の国みたいだ」と、笑いながら言った。


端までくると、草の壁が我々の進行を拒む。
ここの探索もこれまでか、と肩を落とし引き返そうとしたそのとき。
侵入を許さない壁の左端に、ちょうど中腰になった人ほどのスペースがある。


そこへ溺死が真っ先に入っていく。
狭いとはいえちゃんと道になっており、どこかへ続いているとのこと。
それを聞いた4人が草間の道に、続いて足を踏み入れていく。


草の生い茂る道の中にも光が差し込む。




道を抜けると、比較的広めの竹藪に出た。
3枚目の真ん中の穴は来た道。

これ以上先に進む道はないかと周囲を見渡す。
そのとき、ひらひらと竹と竹の間を羽ばたく黒い蝶を認めた。
我々はこの蝶に誘われてここへ辿り着いたのかもしれない。


耳を済ますと大学のある方向とは逆側から子供のはしゃぐ声や川の音が聞こえる。
左手に竹を伝うこと何とか登り下りできる斜面があったため、溺死がゆっくりと斜面を下っていく。

数分後戻ってきた溺死が言うには、下には下水道のような川があるらしい。
それを聞いてはっと思い出し携帯のマップで現在地を確認する。


確かに麓には川があった。
また、普通であれば大学から続く道を回り込むようにしないと行けない場所であるため、 相当な近道であることもわかる。

ここで暑さも疲労も限界に達しかけていたため、引き返すことになった。
すごい場所を見つけてしまった、と騒然とする探索参加者たち。
この謎の空間の探索は、さらなる進展を見せることとなる。